購入可能なのはどのくらい?注文住宅の予算について【注文住宅を建てる時の流れvol.3】
全3回にわたりお送りする【注文住宅を建てる時の流れ】。
vol.1~2では、注文住宅を建てる時の所要期間・流れについて解説してきました。
最後のvol.3では、注文住宅の予算について費用の内訳や頭金、住宅ローン等、具体的にお話します。
注文住宅の費用の内訳
注文住宅の購入にかかる費用は、大まかにわけると土地取得費・建築費・諸経費の3つ。
本項では、それぞれ何にどのくらいの費用がかかるのかを詳しく解説します。
・土地取得費の内訳
注文住宅の購入にあたり土地を所有していない場合は、土地の取得費用がかかります。
土地の取得にかかる主な費用の内訳は以下のとおりです。
・土地代・・・全国平均1,499,5万円 (引用元:2022年度 フラット35利用者調査)
・不動産会社への仲介手数料・・・(土地代×3%+6万円)+消費税 上限
・土地の売買契約書にかかる印紙代・・・売主・買主双方が平等に負担するのが一般的
フラット35利用者調査によると、2022年度の注文住宅購入時の土地代は全国平均約1,500万円。
首都圏だと平均2,000万円以上、近畿・東海を除いたその他の地域だと平均1,000万円以下と価格に幅があるので、ご自身の居住予定エリアの相場を参考にすると良いでしょう。
また、土地の有無にかかわらず地盤調査や地盤改良の費用が別途かかる可能性もあります。
その他にも、土地の所有権移転登記の手続きにかかる費用や毎年課税される固定資産税などを支払う必要があります。(諸経費の内訳で解説)
・建築費の内訳
建築費用は主に本体工事費用と付帯工事費用の2種類に分かれます。
・本体工事費用(全体の約75%)・・・仮設工事費、基礎工事費、木工事費、内外装、屋根、住宅機器設備工事、仕上げ等
・付帯工事費用(全体の約20%前後)・・・外構工事費、水道・ガス引き込み工事、照明器具・カーテン・空調の購入・設置費用等。
ただし、上記の費用はハウスメーカーによって内訳が異なります。
見積もりの時点で、どこまでが標準仕様でどこからが別途追加で費用が発生するのか等、事前に確認すると良いでしょう。
その他、ハウスメーカーと工事請負契約を結ぶ際の手数料や印紙代、建築確認申請費用、土地に既存の建物がある場合には建物の解体費用なども発生します。
・諸経費の内訳
諸経費は土地代・建築費以外にかかる費用のことで、建築費用の約10~15%を占めるといわれています。
・印紙税・・・土地売買契約書や住宅ローン借入契約書にかかる印紙代
・登録免許税・・・土地・建物それぞれに必要な登記費用
・住宅ローンにかかる手数料
・地震保険・火災保険・団体信用生命保険等、各種保険の加入
・不動産取得税・・・土地や建物を取得した時に1度だけ課税
・固定資産税、都市計画税・・・不動産の所有にかかる税金
・司法書士への報酬・・・登記手続きを司法書士に依頼した場合
・地鎮祭・上棟式費用・・・不実施なら不要
・引っ越し費用・・・引越し業者への依頼の他、家具購入費用等
思いがけない出費で資金が不足するといった事態を避けるためにも、何にいくら必要なのかきちんと把握しておくことが大切です。
頭金はどれくらい必要なの?
注文住宅を購入する際は住宅ローンを組むのが一般的ですが、それとは別に頭金を用意する必要があります。
頭金は住宅購入費用の約20%が理想、少なくとも10%用意するのが良いとされています。
【頭金ありの場合のメリット】
頭金を用意した場合に受けられるメリットは以下のとおり。
・住宅ローンの借入額が少なく済む
ある程度の頭金を住宅購入費用に充てることができれば、当然ながら住宅ローンの借入額を少なくすることができます。そうすると月々の返済額や金利の負担が減るため、将来的にメリットが得られます。
・優遇金利が適用される
金融機関によっては、頭金の割合に応じて優遇金利を受けることができます。
たとえばフラット35の場合「頭金なし」よりも「頭金10%」の方が、より低い金利で住宅ローンを組むことができます。(引用元:住宅金融支援機構)
その他にも返済比率を抑えることができ審査にプラスになるなどメリットも考えられます。
【頭金なしの場合のデメリット】
最近は頭金なしでもフルローンを組んで家を購入することもできますが、以下のようなデメリットが発生するケースもあるため注意が必要です。
・返済比率が高くなるので、希望額に満たない場合がある
・毎月の返済額が高い
・不動産取得税などの支払いが難しくなる
また、頭金がないと住宅購入費用をすべて住宅ローンでまかなうことになるため、その分借入額が大きくなり、単純に月々の返済額が増えることになります。
さらに、住宅購入にかかる申込金や手付金の支払いは、住宅ローンの前に発生するものがほとんどのため、自己資金がなければ支払うことができません。
一般的に諸経費は住宅ローンに組み込むことができませんが、金融機関によっては諸費用ローンが使えるところもあります。
諸費用ローンとは、住宅購入にかかる諸費用に対して組めるローンのこと。
仲介手数料や登記費用だけでなく、家具や家電の購入などにも適用されるローンもありますが、住宅ローンに比べて金利が高くなる傾向にあるため、よく検討する必要があります。
ローンはどのくらい借りられる?
ここまでは、注文住宅を購入する際に必要な費用の内訳や頭金について解説してきました。
では実際に、金融機関からどのくらいの金額を借入することができるのでしょうか。
【注文住宅のローンは年収の約6~7倍】
フラット35利用者調査によると、2022年度の土地付き注文住宅の年収倍率の全国平均は7.7倍、注文住宅で全国平均6.9倍でした。
これは年収の何倍まで住宅ローンを借りられるのか一つの指標となる数字です。
つまり年収600万円だとすると、その7倍の4200万円が上限額ということになり、勤務先や年齢、資産状況等とともに返済能力の判断材料として考慮されます。
【総返済負担率は世帯年収の約20%を目安に】
注文住宅の予算を設定する際に、月々の返済可能額からどのくらいの住宅ローンを組むのか検討する方法があります。
そこでポイントとなるのが、世帯年収に対する返済額の割合「総返済負担率」です。
住宅金融支援機構によるフラット35利用者調査によると、2022年度の総返済負担率の全国平均は23.1%。
つまり月収30万円の場合、23.1%の約7万円が毎月の返済額の目安となります。
住宅ローンを組む際は、世帯年収の約2割を年間の返済額と仮定して借入額を設定すると良いでしょう。
注文住宅の予算が分かるシミュレーション方法
注文住宅を購入する際の住宅ローン借入額の目安は「年収の約6~7倍」「総返済負担率は年収の約2割」と解説しました。
しかし、上記はあくまで全国平均の数字であるため、その他の条件を加味して予算を設定する必要があります。
たとえ年収の6~7倍の住宅ローンが組めるからといっても、もちろん上限まで借りる必要はありません。
毎月無理なく返済を続けていくためには、年収の5倍以内かつ総返済負担率2割を参考にするのが良いとされています。
その他に、以下の項目から注文住宅の予算をシミュレーションしてみましょう。
・金利タイプ
住宅ローンを組む際の金利タイプは以下の3種類。
・期間選択型固定金利・・・一定期間、金利が固定されるタイプ。
・全期間固定金利型・・・借り入れた時点で決定した金利が全期間変わらず固定されるタイプ。
・変動金利型・・・景気の影響で金利が変動するタイプ。
・返済方法
住宅ローンの返済方法は以下の2種類。
・元利均等返済・・・毎月の返済額が一定になる返済方法。
・元金均等返済・・・元金を毎月一定額返済していく方法。
・返済期間
一般的な住宅ローンの最長借入期間は35年。
定年までに完済するのが望ましいとされていますが、たとえば35歳で最長35年の住宅ローンを組んだ場合、完済が70歳と定年を越えてしまいます。
定年まで完済できるように期間を短く設定すると、月々の返済額が多くなり負担となってしまいますし、期間が長いと利息により返済額の総額が増えるといったデメリットもあります。
住宅ローンは30年以上もの長い期間返済が続きます。
この機会にライフプランをしっかり見直し、何を優先するかきちんと話し合って決めることが大切です。
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全3回にわたりお送りしてきた【注文住宅を建てる時の流れ】。
注文住宅の購入を検討してから実際に建物の完成・引き渡しまでの流れと、注文住宅の購入にあたり必要となる費用や予算について詳しく解説しました。
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